この世界の片隅に

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予定が何もない休日。ただただ家でダラダラする。幸せだ!

最近はなにかと用があって、毎週のように出かけていたので、外出しない日は久しぶりだ。予定が全くない日に見たいと思っていた映画がある。何もない日でないとこの映画は見れないと思っていたからだ。隙間時間に何気なく見てしまうと、色々と後悔すると思っていた。

こうの史代さん原作の「この世界の片隅に」だ。戦争が題材なだけに生半可な気持ちでは見れない。

この映画は戦争中の広島でのひとりの少女の生涯を描いている。

広島と聞くとすぐに原爆を思い浮かべてしまうが、この映画での舞台は、少し離れた呉だ。その当時呉には海軍基地があり、その基地を狙った攻撃が連続して行われていた。

戦争がテーマというだけで、食わず嫌いしてしまいそうだが、この映画では「戦争の悲惨さ」を訴えるような内容ではなく、戦争の中で普通に生きる人たちの生活が主題となっている。

広島で生まれ、呉に嫁いで、嫁ぎ先での夫の家族との生活。そこでは、故郷とは違う環境に対するストレスや、夫の姉との気まずい関係など、いつの時代でも「よくあること」に悩みを持ちながら生活している。そして、徐々に戦争の影響が日常生活に及んでくる。

戦争が進むにつれ、物が高価になり、得られる食料も限られてくる。そんな中でも妻として、家族がお腹一杯になるように工夫をしながら、「日常生活」を行なっている。

当然、失うものもある。戦争は非情に色々なものを奪う。しかし、戦争という絶望的な状態にいながら、生きていくために前向きで、主人公のマイペースで、ドジな性格から、その生活の中には優しさ笑いがある。そして、その周りの人たちとの家族団欒の温かさがある。

これほどプラスにもマイナスにも感情を揺さぶられる戦争映画は他にないんじゃないかと思う。

いやー、いい映画だった…と思っている間にもう夜だ。休日というのはあっという間だ。それでも今日はなんだか特別な1日であったような感じがする。

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