想像する遺伝子 僕が愛したMEMEたち

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2020年になって、2ヶ月が過ぎた。今年は1964年以来の東京オリンピックが開催される予定である(雲行きは怪しいが…)。そんな特別な年に私はといえば、1月、2月にそれぞれ風邪にかかり、家でぐったりすることとなった。

また、世間ではコロナウイルスが流行し、その対応で会社ではバタバタ。コロナウイルスの影響は社会の景気にも影響を与えていて、私の会社の業績も思わしくない。経費削減が必須となり、表向きには残業なしとなっているが、仕事の量は減らないので、家でテレワーク風サービス残業の日々だ。

色々と言い訳を並べたが、要するにブログの更新がおろそかになってしまった。やはりブログは趣味であって、自分の匙加減なところがあるので、どうしても優先順位が下がってしまう。

その日の疲れ具合によって、当然モチベーションが下がってしまうときもある。こんなブログを続ける必要があるのか。存在する意味があるのかと考えてしまうことが増えてきていた。

そんな時に見つけたのが、この本である。


小島秀夫さんの「想像する遺伝子 僕が愛したMEMEたち」という本だ。

これは人気ゲームシリーズ「メタルギアソリッド」の監督である小島秀夫さんの書いた、本やアニメ、映画に関するエッセイ本である。私自身もあのゲームの深みにはまった一人だ。

メタルギアソリッドは他のゲームとは一線を画す。ステルスアクションゲームとして面白いだけでなく、ストーリーが特徴的だ。SF的でハードボイルド、メッセージ性の高いものであり、その奥深さはゲームを一回クリアするだけでは全てを理解することは難しい。

主人公スネークやその関連人物の人間性が強く表現されていて、スネークの人生を描いたドキュメンタリー映画を見ているようである。そのせいもあってムービーシーンはかなり長い。私はそれも含めて良いと思うが、ゲームの評価としてはその辺りが賛否の分かれる部分である。

さて、そんな小島秀夫さんの書いたこの本だが、エッセイの中にも小島イズムがぎっしり詰まっている。紹介されている作品は小島監督が学生時代に熱狂したSF小説やミステリー小説、「宇宙戦艦ヤマト」や「天才バカボン」などの有名なアニメなど様々だ。

私自身この本で紹介されているものはほとんど観たり読んだりしたことがないが、どれも面白そうだ。世の中にエッセイ本は数あれど、これほどまでに紹介される作品一つ一つがいかに面白いのかが伝わってくるものはない。

それは、小島さん自身がそれらに心の底から感動し、影響を受けてきたからだろう。どのエッセイからも小島さんの熱や愛を感じる。

小島さんのゲームに存在する要素一つ一つが、「MEME」たちから受け取ったものを紡いでいった結果なのだろう。

また、この本の中には星野源さんとの対談も収録されている。星野源さんのファンでもある私にとってはすごく嬉しい。

小島さんの「MEME」を紹介したこの本は、私の「MEME」だ。そしてそれを紹介するこのブログもかなり小さいながらに一つの「MEME」だ。このブログを通して、この本や本の中で紹介されている作品たちの良さが誰かへ届いてくれたらこれほど嬉しいことはない。

そうやって点と点が線となって繋がっていくこと、それがこの本を通して小島さんが望んでいることでもある。

また、小島さんの新しいゲーム作品「DEATH STRANDING」も「繋がり」をテーマとした作品である。 私もプレイしたが、これまでのゲームで経験したことのない感動があった。

コロナウイルスの影響でこれまで通りの直接的な繋がりを保つことが難しくなっている今、この作品の素晴しさを最も感じられるのではないかと思う。

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