一年半ぶりにライブに行った。
今は一時の酷さはないものの、まだまだコロナ感染大警戒状態で、そんな中で密室に集うことはしっかりとした感染対策の中でも若干の罪悪感はある。
会場はクラブクアトロ広島。会場にはパイプ椅子が置かれ定員は60人くらいか。クラブクアトロといえば、広島のライブハウスの中ではかなり大きいほうで、まずまず有名なバンドがぎゅうぎゅうの観客の中でライブをする印象なので、コロナ前後での変わり様に驚く。
出演するバンドはなきごと、ヤングオオハラ、Hakubiの3組だ。私のお目当てはなきごとだ。独特な言葉選びとキャッチーなリズム、そして痺れるギターが魅力だ。もちろん、なきごともヤングオオハラも良かったが、今日ばかりはHakubiがあまりにもすごかった。
Hakubiは京都出身のバンドらしい。最近個人的にHomecomings、POP ART TOWNなど京都、大阪出身のバンドにハマっており、なんとなくご縁を感じる。Hakubiについては名前は聞いたことあるなーと言ったレベルで、YouTubeでライブの前に何曲か予習して、お、いいじゃんと思っていた。
予習したつもりだったが、実際にライブで聞いてみると、本当に同じ曲なのかというくらい(褒め言葉になっているかわからないけど)全然違った。
ボーカルの片桐の小柄ながら力強い歌声には、心の底から溢れる熱い想い、本気の苦しみがあって、命をバシバシと感じる。そしてそれを増幅させる様なベースとドラム。それがひたすらにカッコいい。。。。
「生きてるそれだけで許してくれませんか。」
全く十分じゃないか!死にたくなってしまうということはそれだけ本気で、全力で今を生きているということだ。何事も表裏一体なのだ。
最近はコロナでライブに行くことができず、もっぱらおしゃれなcity popのオンライン配信ライブばかりに参加していて、これでも意外といいんじゃないかと結構満足していたが、やっぱり、やっぱりライブは必要不可欠だ。ライブをなくすことはできない。ここでしか感じられない音や振動や高揚感が確実に存在する。
薄暗い密室で、耳がおかしくなるほどの爆音で、眩しすぎるライトが飛び交うこの空間は格別だ。日常生活とは離れた、デフォルメされた空間の中で一番「生きていること」感じることができる。「Live」とはそういう場所なのだ。
余談だが広島の観客たちは私も含めてとってもシャイだ。フー↑みたいな声も出さないし、動きも小さい。(その分拍手が大きい。)
だから、バンドのみなさんにはあんまり盛り上がらなかったなと勘違いしないでいただきたい。
言い方を変えれば、雰囲気がわからなくて行くのを躊躇っている人は気楽に来れると思う。 そしてコロナ渦でのライブのマナーはそんなちょっとノリの悪い広島スタイルが逆にスタンダードになってきたのかもしれない。
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