先日、重力波が世界で初めて観測されたというニュースが流れた。あまりぱっとこないがおそらくすごそうだ、その程度の感覚しかなかった。
昔から宇宙について考えることがあった。
今一生懸命生きているこの社会は地球のごくごく一部で、地球は太陽系の中の一つの星でしかなくて、その太陽系も銀河の中の一つで、そもそも宇宙も一つじゃないかもしれなくて、、、と考えていると、難しすぎて、ヴァァーーと変な声が出てしまいそうだ。
重力波とは何なのか知るために、真貝寿明さんの「ブラックホール・膨張宇宙・重力波」という本を読んだ。
この本では、一般相対性理論、ブラックホール、宇宙論などそれぞれのキーワードごとにこの100年間での研究で解明されてきたこと、未だ解明していないことについてが書かれている。
宇宙に関する知識についてのみでなく、研究者のエピソードや人柄にも触れられているところが面白い。
宇宙研究を進めるにあたって、重要なものの一つに光がある。
宇宙空間について観測できる事柄は限られている。特に、現在のような設備のない過去の研究においては、望遠鏡で星の光の観測する方法で、研究が勧められていた。
そしてその光の速度を重要な要素として、物理現象を表したのが、アインシュタインだ。
一般的な研究の手順は沢山の証拠を集めて、こういうことが言えるはずだと結論づけることが一般的だ。しかし、アインシュタインの行ったことは、自身の物理的、数学的センスからこうあるべきだと求めた理論であり、その正しさは以降の100年間で次々に立証されていった。
アインシュタインの法則の正しさを後の無数の研究者が結果として証明した。
アインシュタインの理論の中で、未だ解決できていないものが、重力波であった。理論上では存在することになるが、本当に重力波が存在するのか、存在したとしても力が弱すぎて当時の技術では観測できないのではないか、という懸念があった。
その重力波が最新の高精度な計測器によって観測された。まだそれ以降直接的に何かが解明され訳ではないが、もしかすると、ブラックホールの発生過程の解明や、数値シミュレーション技術の向上に繋がることが期待されている。
重力波とは空間の歪みが波のように伝搬しててくる現象である。
現在考えられている宇宙モデルでは、宇宙は5次元空間で、我々は4次元にいると考えられているそうだ。より簡単に考えると、宇宙が3次元の立体空間とすると、我々は2次元の絵の中で暮らしているような状態らしい。そして多くのエネルギーはその絵の中から出ることができないが、重力波は、絵から出て別の絵へ伝播している(と考えるのが自然らしい)。
つまり、人間が宇宙の研究をしている状態は、2次元の絵の中から3次元の世界のことを想像しているようなものだ。
だから、完全に理解することは不可能だと思うが、やはり宇宙について解明されていくのはなんだかわくわくしてしまう。今回の重力波の観測は今後の宇宙研究の新たな始まりにすぎないようだ。
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