最近、
「本を開いても、なかなか集中できない」
「文字は追っているのに、内容が頭に残らない」
そんなふうに感じることはありませんか。
実は、私自身が少し前までまさにその状態でした。
これまで「趣味は何ですか?」と聞かれたら、迷わず「読書」と答えてきました。ところが、子どもが生まれてから生活は一変しました。仕事と育児に追われる日々のなかで、まとまった時間を取るのが難しくなり、いつの間にか本から距離を置くようになっていました。
そんな私ですが、最近このブログで本を紹介するようになってから、少しずつ「本に向き合う時間」を取り戻せるようになってきました。
そこで今回は、荒木博行さんの著書『自分の頭で考える読書』をもとに手がかりに、「読書」について、あらためて考えてみたいと思います。
著者・荒木博行さんについて
荒木博行さんは、株式会社学びデザイン代表取締役社長。
住友商事、グロービス経営大学院(副研究科長)を経て独立し、現在はスタートアップのアドバイザーや大学教員としても幅広く活動されています。
音声メディアVoicy「荒木博行のbook cafe」や、Podcast「超相対性理論」のパーソナリティとしても知られ、「考えること」「学ぶこと」をテーマにした発信を続けている方です。
『自分の頭で考える読書』の要点
本書で一貫して語られているのは、
「読書に万能な正解はない」ということです。
読む目的や、その人が持っている知識によって、読み方は変わっていい。
内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、余白に疑問を差し込み、「問い」を育てながら読むことが大切だと説かれています。
変化の激しい時代において重要なのは、経験を抽象化し、本質として持ち運べる力。読書は、自分では経験できない他者の経験を借りるための、非常に有効な手段でもあります。
また本書では、
- 問いの発見
- 答えの発見
- すでに知っていることのリマインド
この3つを行き来しながら読むことが提案されています。
「最初から最後まで完璧に読むべき」
「読んだら必ず実践すべき」
そうした“べき論”を手放し、懐疑3割くらいのバランスで読む。
それが「自分の頭で考える読書」なのだと語られています。
大人になってから、読書は窮屈になっていないか
自分自身を振り返ってみると、子どもの頃は「どんな本を読むか」なんて深く考えず、ただ無邪気に本を手に取っていました。
ところが大人になるにつれ、
「仕事に役立つか」
「生活の役に立つか」
といった基準で本を選ぶようになり、いつの間にか「読む必要のない本」を勝手に決めつけていたように思います。
本来、読書は自分の知らない世界や価値観に触れる行為のはずです。それなのに、興味のある分野だけを選び続け、結果として自分の関心の幅を狭めてしまっていました。
集中できない読書の正体
「本に集中できない」という状態は、
文字を追っているだけで、内容が頭を通り抜けていく状態なのだと思います。
これは、読むスピードの問題ではありません。
むしろ、
- 立ち止まって考える時間
- ぼんやり内容を反芻する時間
そうした「何も進んでいないように見える時間」こそが、実は一番大切なのではないでしょうか。
スピードが遅くなったと感じて焦る必要はありません。考えている時間は、決して無駄ではないのです。
「こう読むべき」から自由になる
気づけば私たちは、
「こう読まなければならない」
というルールで、自分自身をがんじがらめにしてしまいがちです。
もし最近、読書が楽しくなくなったと感じているなら、いったん初心に帰ってみるのもいいのかもしれません。
役に立つかどうかを気にせず、完読を目指さず、
気になるところだけ拾い読みする。
そんな自由な読書から、また新しい楽しさが戻ってくるはずです。
『自分の頭で考える読書』は、
「読書がつらくなってしまった大人」にこそ、おすすめの一冊でした。
