サマーウォーズ

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今週の金曜ロードショーはサマーウォーズだった。この映画を見ると夏だ!青春だ!という感じがする。あー青春が羨ましい。いや、正式には青春時代にしっかりと青春を味わっている人が羨ましい。もちろん私も残念ながら冴えない学生生活を過ごして来た人間だ。

 

この映画を何の知識もなく初めて見た時、私は憤慨した。子供の頃に大好きだったデジモンの映画にそっくりだったからだ。ネットの世界という世界観や、ストーリーの展開も一緒だった。若者向けのアニメだからって他の人の作品をパクっていいと思うなよ!と監督に対してどこにもぶつけられない怒りを抱いた。実際には監督はどちらの作品も細田守さんであり、パクリではなく、私の怒りは全く意味のないものとなった。

 

泣いている先輩の手を握ろうかどうかというちょっとしたためらいとか、恥じらいがとてもいい。青春っぽい!日本人っぽい!と思う。

日本人っぽいとはいったが、アメリカ流ならどうなるんだろうか。何のためらいもなく肩に手を回し、先輩は肩に頭を乗せ、そのまま抱きしめ合ったりするのだろうか。それとも屋根から蜘蛛の糸で逆さまに降りて来て、先輩とキスをするのだろうか。そんなどうでもいいことを考えてしまいながら、やはり日本人的な恋愛は素敵だなと思う。

 

忘れてはいけないのは、おばあちゃんのかっこよさだろう。やはり人間的な器の大きさはピンチの時に現れるものだろう。人を励ます時のたくましさ、花札をする時の優しさ、どれを取ってもかっこいい。人間としての深さのようなものを感じる。

 

ツイッター上での

「よろしくお願いしまーーーーーす!!」

も花火を見て「たーまやーー」と言うような(実際には言っている人は見たことがない)夏の風物詩となっている。

 

はー夏だ!感じる一方で、もうすぐ夏が終わるのかというちょっとしたさみしさも感じる。それと同時に、私の輝かしい学生時代は絶対にやって来ないという、無理やり麻袋を頭に被せられるような巨大で深淵な絶望感に苛まれる。

そんな絶望感の中、撮り溜めているアニメを探す。何か別のアニメで(できれば人間的な汚さにあふれているもの)この幸福感を薄めなければ、現実世界に戻れそうにない。

 

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